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「ラクイエ」とは?
「ラクイエ」は旭川の住宅会社の「YOUトピア カワムラ」が手掛ける規格住宅です。
規格住宅化することによって価格を抑えながらも、十分な住宅性能を有しているのが特徴と言えるでしょう。
もちろん規格住宅なので決まった間取りの中から予算や好みに応じて「間取り」と「オプション」を選択していく形となります。
「月々5万台円から」というキャッチコピーもなかなかインパクトがあります。
もちろん「月々5万円から」は最低価格なので選ぶ間取りや土地によってはそれ以上の金額になることも当然あるのでそ鵜呑みにしすぎるのは注意しましょう。
ラクイエの基本仕様
まずはざっくりと「ラクイエ」の基本的な仕様について見ていきましょう。
電気のみ(オール電化) | |
暖房 | 寒冷地エアコン+電気パネルヒーター |
給湯 | エコキュート |
基礎 | 布基礎 |
構造 | 木造軸組み+パネル工法 |
断熱 | ダブル断熱+基礎断熱+スカート断熱 |
窓 | トリプルサッシ(アルゴンガス) |
換気 | 第3種換気(ダクト式) |
外壁 | 窯業サイディング |
このようにざっくりとではありますが「ラクイエ」の仕様を一覧にしてみました。
それでは、ここからはそれぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
給湯・暖房
ここでは暮らしの要となる「ラクイエ」の給湯と暖房について見ていきましょう。
給湯について
まず初めに、給湯は「エコキュート」というヒートポンプ式電気温水器で行います。
しかし、電気温水器は光熱費が高いんじゃないの?というイメージを持つ方が多いと思います。
ですがその原因と思われるのは一昔前まで主流だった「ヒーター式」の電気温水器によるものなんです。
この「電気温水器」と「エコキュート」の一番の違いは「ヒートポンプ」によるものです。
YOUトピア カワムラ https://raku-ie.com/rakuie/spec/
試算条件が詳しく書いてないのでわかりませんが上の図によると「エコキュート」にすると「年間68,600円」電気代が安くなる計算のようです。
これを月に換算するとヒーター式電気温水器に比べて「約5,716円」安い計算に!
これがヒートポンプの力というわけです。
ヒートポンプについてさらに詳しく知りたい方ははこちらのサイトが参考になります。
暖房システムについて
ここでは「ラクイエ」の暖房システムについて詳しく見ていきましょう
暖房は「寒冷地エアコン」。
機種は主に日立製作所製「メガ暖白くまくん」
そして「電気パネルヒーター(日本スティーベル社製)」による暖房となっています。
この「寒冷地エアコン」にも「ヒートポンプ技術」が使われていて、とても効率のいい暖房機器といえます。
しかし、せっかく効率がいいのにも関わらず昨今、電気代が高騰しているでプラマイゼロといったところでしょうか…
ただ、「電気パネルヒーター」に関しては特別効率もよいわけでもなく、なぜこれを暖房に採用しているのかは疑問です。
ユーザーにとっては光熱費が高いだけの暖房といっても過言ではありません。
なるべく電気パネルヒーターを使わずに寒冷地エアコンの暖房を使うことで、大幅な光熱費の削減が出来るはずです。
ただし家の各部屋には扉があるので、扉を開け放たないと暖気が流れていかないのが難点。
扉を締め切った場合には効率が悪いとしてもやはり電気パネルヒーターを使わなければならないでしょう。
工法・構造
ここでは「ラクイエ」の基本的な構造について見ていきます。
まず家の構造ですが、木造軸組み工法にパネル工法をプラスした構造を採用しています。
YOUトピア カワムラ https://raku-ie.com/rakuie/spec/
在来工法の間取りの自由度と枠組壁工法のいいところを併せ持った工法と言えるでしょう。
耐力面材に使われているのは吉野石膏の「タイガーEXハイパー」。
「OSB合板」等の木質系耐力面材ではなく、いわゆる石膏ボードなので火に強く湿気も通しやすいそうで、もしものときの安心感もありますね。
基礎について
続いて「ラクイエ」の基礎を見ていきましょう。
基礎は布基礎となっていて、床下の土間には防湿シートが施工されるようです。
YOUトピア カワムラ https://raku-ie.com/rakuie/spec/
ただ、最近ではベタ基礎や防湿土間コンを採用している会社が増えている中で防湿シートのみと言うのは正直コストカットなのかなーという気がします。
なにか理由があるのかもしれませんが、少なくとも防湿土間コンと断熱材の敷き込みぐらいはして欲しいところです。
断熱性能
真冬は最低気温がマイナス20℃を下回ることもある旭川で大事なのがやっぱり断熱性能!
ここでは「ラクイエ」の断熱性能のついて詳しく見ていきましょう。
内断熱・外断熱について
充填断熱がマグ・イゾベール(グラスウール16KHG)105mm。
付加断熱がネオマフォーム(フェノールフォーム断熱材)30mm。
壁面はしっかりダブル断熱仕様。
天井断熱はブローイング300mm。
下部は基礎断熱なので床面に断熱材はありません。
YOUトピア カワムラ https://raku-ie.com/rakuie/spec/
基礎断熱について
基礎まわりがカンタンベース(ビーズ式ポリスチレン特号)内外それぞれ65mmの基礎断熱。
厚さ50mmのスカート断熱との併用による施工となっています。
YOUトピア カワムラ https://raku-ie.com/rakuie/spec/
一つ欠点を上げると基礎内が防湿シートのみであること。
つまり土間に断熱材が入っていないので地面への熱損失が多少気になるところではあります。
窓について
「ラクイエ」で採用されている窓はLIXIL製トリプルガラスサッシ「エルスターX(アルゴンガス)」となっています。
YOUトピア カワムラ https://raku-ie.com/rakuie/spec/
標準がトリプルサッシというのはなかなか豪華な仕様ですね。
かけるところにはしっかりコストを掛けている印象です。
換気システム
続いて「ラクイエ」の換気システムを見ていきましょう。
換気システムは第三種換気で日本住環境株式会社の「ルフロ400」が採用されています。
日本住環境株式会社 https://www.njkk.co.jp/product/tabid75.html?pdid=sk_kf_10
ダクト式の第3種換気システムを使っています。
第3種換気ならもっと安い仕様にもできるはずなのに、敢えてコストのかかるダクト式を採用しているところにこだわりを感じます。
しかし、どうせコストをかけるならもう少し頑張って第一種換気にしてほしいと思ってしまうのが正直なところ。
特に冬には室内と室外の温度差が30℃以上になることも多い旭川なので、熱交換換気による光熱費軽減効果は侮れないものがあると思うのですが…
全熱交換であれば湿度の交換もしてくれるので快適性も向上しますし、大きな差が生まれると思うんですが…
最近の北海道は夏もかなり暑くて高湿度なのでより威力を発揮する機会が多いと思うんけどね。
外壁
ここでは「ラクイエ」の外壁について見ていきましょう。
外壁はKMEWの「ネオロック 親水16」。
YOUトピア カワムラ https://raku-ie.com/rakuie/spec/
いわゆる「窯業系サイディング」というやつですね。
「親水コート」というコーティングによるセルフクリーニング効果があります。
このコーティングの効果で外壁のお掃除の手間を減らしてくれます。
ただし、セルフクリーニングはしてくれますが、肝心の塗膜の耐久性は不明。
おそらく10年程で塗り替え・張り替え等のメンテナンスが必要になるでしょう。
間取り・坪単価
「ラクイエ」で選べる間取りは「3LDK」「4LDK」「5LDK」「平屋」の全4タイプ。
ただし会員登録しないとほとんどの間取りが見られないので、今回は会員登録なしで見られる「4LDK-TypeS」の間取りで検証してみるとしましょう。
YOUトピア カワムラ https://raku-ie.com/rakuie/plan/
延べ施工床面 | 110.97㎡(33.50坪) |
1F施工床面積 | 62.94㎡ (19.00坪) |
2F施工床面積 | 48.03㎡(14.50坪) |
価格 | 2,090万円~ |
坪単価 | 約62万円 |
「2,090万円÷35.50坪≒62万」という計算になりました。まぁ坪単価なんて大してあてにならないですけどね。
しかし、この数字だけ見るとなかなかコスパ良さそうな感じがします。
その代わり規格住宅なので間取りが決まったものしか選べません。
更にいろいろオプションを選ぶと金額が増えていくでしょう。
そして、どうしても希望の間取りがないと言う方向けに自由に間取りを決められる「ラクイエフリー」なるオーダー住宅もやっています。
ただし、オーダー住宅になるのでその分、価格も上昇することは間違いないでしょう。
UA値・C値・Q値
UA値について
まずはUA値から見ていきましょう。
YOUトピア カワムラ https://raku-ie.com/rakuie/spec/
今回は「ラクイエ 4LDK-Aタイプ(南向き)」の場合ですが、UA値は「0.25」ということでなかなかの高性能です。
しかし、UA値は家によってそれぞれ違ってくるのでそれぞれの間取りでしっかり確認しましょう。
C値について
続いてC値を見ていきましょう。
ユートピアカワムラの住宅で最高C値は日本最高水準の「0.25」!!
YOUトピア カワムラ https://raku-ie.com/rakuie/spec/
ラクイエの隙間面積は北海道基準の半分以下!!
※UA値・C値はゼロに近いほど冷暖房費が節約できます。
ホームページでは「最高C値は0.25」とアピールしています。
しかし、これはあくまで「最高値」であって「平均値」ではないところには注意が必要です。
C値は一棟ごとに気密測定してみなければわからないものです。
ですので、同じ間取りだとしても必ずしも全棟が「C値0.25」になるわけではありません。
続いてこちらを見てください。
YOUトピア カワムラ https://raku-ie.com/rakuie/spec/
先程は「最高C値0.25」とアピールしていました。
しかし、こちらを見るとC値は「0.8以下」になっています。
つまり「最低でも0.8」というC値は最低でも保証してくれるということのようです。
したがってC値は最高「0.25」で最低「0.8」までの間でC値になると思って間違いないでしょう。
しかし最低C値0.8という数字は旭川で建てられるの基礎断熱の住宅として考えると大した性能値ではありません。
一方、中には最低C値が「0.2」を保証するような会社もあるもの事実です。
よほど余裕を持たせた数字なのか、気密施工に関して自信がないのかはわかりませんが、基礎断熱の住宅ならもうちょっと頑張って欲しいのが正直なところです。
もちろん測定してみなければわからないですが、気密施工に自信がなさそうな感じがしてしまいます。
C値を重視するかたには「ラクイエ」はオススメ出来ないのが正直なところです。
保証・メンテナンス
保証について
ここでは大事な「ラクイエ」の保証内容について見ていきましょう。
保証対象部分を25項目以上に細かく分類し、それぞれに保証内容を明記した保証書をお引き渡し時に発行しています。さらにカワムラでは、当初の保証からサポートは最長60年まで延長できます。維持管理点検において住まいの価値を維持し、永く住み続けられるようにお住まいを見守ります。
YOUトピア カワムラ https://raku-ie.com/flow/
ということで、「ラクイエ」には「最長60年」の長期保証が用意されています。これはすごいですね。
しかし悪い見方をするとここには言葉のマジックが隠されているように思います。
まず第1に「最長」である点。
「最長」ということは当然それよりも短い場合があるということ。
肝心の無料保証期間と有料保証期間については触れられていません。
そして第2に最長60年「まで」延長できますというところ。
これは明らかにユーザー側に選択権があるような書き方なので、特定の期間の終了後に有料の点検等を受けることで保証期間を伸ばすことが出来ますよと言ったパターンではないかと推測しています。
無料の保証なら「延長できます」なんて書き方はしないはずですからね。
つまり無料で保証してくれる期間のあとに有料の保証に切り替わるものと思われます。
これは長期保証を売りにしている大手ハウスメーカーでもよくあるパターンなので注意が必要です。
大手ハウスメーカーの場合だと高額な点検料と引き換えに保証期間を伸ばせたりするようなケースもあるようなので検討の際はよく確認してみてください。
無料の保証期間、そして有償の保証の場合でもどこまでが保証されるのか内容なのか、保証を受けるにはどうしたらいいのかをしっかり確認しましょう。
アフターサービス
一方「ラクイエ」のアフターサービスの項目はというと
お引き渡しした新築時の快適さをいつまでも保ち続けるため、弊社マニュアルに沿って定期的な保守点検・巡回サービスを行っています。 引渡後、暮らし始めて1カ月後のフォロー訪問に始まり、専任スタッフの年次点検を6カ月・1年・2年・5年・10年のサイクルで無料で実施します。
YOUトピア カワムラ https://raku-ie.com/flow/
もちろん日常生活で不都合が発生した場合や年次点検以外の年もご希望があれば無償で点検させていただきます。
ここを見ると10年までは無料で点検してもらえると読み取れます。
ここで疑問なのは無料なのは「点検」とかいてある所です。
補修も含めて無料で対応して貰えるのかちゃんと確認しましょう。
今回のまとめ
今回はYOUトピア カワムラの「ラクイエ」を解説してみました。
旭川ではガスを熱源に使う住宅メーカーが多い中、今となっては珍しいオール電化住宅となっていています。
僕の知る範囲で旭川で積極的にオール電化を採用しているのは「一条工務店」と「YOUトピア カワムラ」ぐらいです。
オール電化の光熱費が高いというイメージもあります。
しかし「ヒートポンプ」の登場によりそれほど差はなくなっているのでは?と思っています。
最近は電気代自体が上がっているのでなかなか難しいですが…
ラクイエのGOODポイント
断熱仕様も壁内・壁外のダブル断熱。まぁ付加断熱の厚みはそれなりですが…。
そして基礎断熱にスカート断熱を併用と文句なし。
それでいて窓はトリプルサッシが標準仕様となかなか力が入っています。
ラクイエのBADポイント
・基礎内の土間が防湿シートのみであること。
・各部屋の暖房が電気パネルヒーターであること。
その他にも、個人的に気になる点がいくつかあります。
まず第一に基礎内の土間が「断熱されていない」こと。
基礎断熱なので年中15℃ぐらいの地熱のおかげで外気よりは温かいという謳い文句です。
しかし、夏は床が涼しくていいかもしれないが、冬場には常に15℃の空気に冷やされる床の冷たさは結構厳しいと思いませんか?
他社では断熱材使った上に防湿土間コンまで入れたりしてますし、防湿シートのみっていうのはどうしてもコストカットに見えてしまいます。
そして2つ目は「電気パネルヒーター」。
最近は電気代の値上げもあるし、なんでこんな電気を食うだけの暖房機器を採用してるのか全くわからない…。
メンテンナンス性を考えてのものなのか導入コストの問題なのか…。
なんにしても長い目で見るとユーザーのメリットはないと思います。
こうやって細かく見ていくと意外とコスパよくないんじゃないかなーと思ったりします。
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まずは間取りだけでも相談してみては?
きっとこれだ!っていう間取り、もしくは会社と出会えるはず!
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